伏線表
伏線表 ― 鉄を食う理由と、名前の問題
チビが鉄を食う理由、卵が岩場に置かれていた理由、「チビ」という名前が第1巻の終わりに引き起こす問題。第1話で置く九本と回収先。全部先の筋。
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真相(読者には第12話で半分、第2巻で全部)
竜は絶えていない。三百年前、人が名を与えるのをやめたため、竜は野に還って人前に出なくなった。竜は名を与えられて初めて人と関われる生き物で、名の無い竜は人の目に映りにくい(白地の見え方とは別の仕組み)。
卵を岩場に置いたのは、三百年生きている一頭の竜。人が竜に名を与えられるかどうかを、もう一度試している。
名前の問題(第1巻の山)
竜は与えられた名の通りに育つ。「チビ」と名付けられた竜は、大きくなれない。第12話でそれが分かる。ロウは名を付け直すか、そのままにするかを選ぶことになる。名を捨てれば縁も切れる。
第1話で置くもの
| No | 伏線 | 置く話 | 回収する話 |
|---|---|---|---|
| 1 | チビが鉄くずを少し食べる | 2(分銅を舐める。食べない)→ 3(鍛冶屋の鉄くずを食べる) | 6(鱗になる)→ 第2巻(竜が金を好む伝承の正体) |
| 2 | 卵が岩場に「置かれていた」(落ちていたのではない) | 1 | 12(誰かが置いた)→ 第2巻(三百年の竜) |
| 3 | 名前を「チビ」にする | 1 | 12(この名前のせいで大きくなれない) |
| 4 | ロウが一匹しか従えられないのは気質 | 1 | 10(だからこそ竜と縁が結べた) |
| 5 | 受付マリが追い出したことを気にしている | 1 | 7(ギルドに戻す話が来る。ロウは断る) |
| 6 | 商人ガドーがチビを見て黙る | 2(置いた。理由は一切言わせていない。割れ卵を一つ多く入れた) | 4(気づいていた。黙っていた理由は金ではない) |
| 7 | セシルの十二匹に、名前が一つ足りない | 5 | 9(一匹、名を捨てた過去がある) |
| 8 | ハーヴェの丁寧すぎる物腰 | 8 | 11(竜を探しているが、殺すためではない) |
| 9 | 育成記録の「飛べた距離 〇」 | 1 | 12(第1巻の最後で、初めて〇でなくなる) |
長期の到達点(読者には見せない)
- 第2巻: 名を付け直したチビが育つ。三百年の竜と会う
- 第3巻: 人と竜が名を交わす仕組みを、ロウが街に残す。ロウは一等にならない
- 最終的な問い: 名前は、呼ぶ側と呼ばれる側のどちらのものか
第2話で増えたもの
| No | 伏線 | 置く話 | 回収する話 |
|---|---|---|---|
| 10 | ロウが「竜です」と言った相手はマリ一人。「二人目に言う気には、まだなれない」 | 2 | 4(ガドーが二人目になる。ただしガドーは自分で気づく) |
| 11 | 岩場のくぼみのへこみに、チビがぴたりと収まる。卵を置いた者は戻っていない | 2 | 12・第2巻(三百年の竜) |
| 12 | 餌の帳面の「シロの最初のページも、こんなだった」 | 2 | 10(一匹に全部を注ぐ気質。No.4 の補強) |
第3話で増えたもの
| No | 伏線 | 置く話 | 回収する話 |
|---|---|---|---|
| 13 | チビは熱い鉄を避けたように見えた(なぜ分かったのかは書いていない) | 3 | 6(鱗と一緒に、鉄の温度を体で知っている) |
| 14 | 鍛冶屋の削り粉の包み。「明日だ」と言ったまま引き出しの中 | 3 | 4(食べさせる。食べた量と体の変化の記録が始まる) |
| 15 | 鍛冶屋の「二つとも同じだけ間違ってる」(量りの基準を疑う言葉) | 3 | 使わなくてもよい。使うなら 12(名前と同じく「基準」の話) |
第3話で進めたもの: No.1(鉄くずを三つ食べた。鱗には触れていない)、No.6(十日目・十三日目も十三個、何も訊かない)、No.10(まだマリ一人)、No.12(餌の帳面の付け方を技として書いた)。「危ない」の声「きっ」が初出(jinbutsu の三種類目)。