スローライフ
3 作品(小説3件)
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偽聖女として追放されたので、隣国で薬屋を始めました 第三話 しろ苔
石臼ができた日、街道の行商サシャが荷車を引いてやってくる。口が回る。値段に細かい。しろ苔、一袋三十。ミアは「はい」と言いかけて、ネイの顔を思い出す。仕入れ値を考えろ、とサシャは笑った。値切られる側に回ったら、最初の値に何を入れておくか。咳の止まらない行商人に、ミアは新しい臼で最初の薬を挽く。

偽聖女として追放されたので、隣国で薬屋を始めました 第二話 鉄葉の湿布
借りた釘抜きを返しに、朝のうちに鍛冶場へ行く。片腕の鍛冶屋ネイは、動かない左腕を「痛くない」と言う。嘘だ。金槌を持ち替えるとき、顔が動く。ミアは初めて「治りません」と口にする。動くようにはならない。でも、痛みは引く。鉄葉を砕いて、煮出して、熱いうちに布に広げる。そして宿の主ボルグが、約束どおり、値段の付け方を教え始める。

偽聖女として追放されたので、隣国で薬屋を始めました 第一話 熱冷ましの根
聖女の力が無いと暴かれ、ミアは国境の外へ押し出された。もともと彼女がやっていたのは祈りではなく、祖母の手帳に書かれた薬の調合だった。三日歩いて着いた寂れた街で、宿の主が熱を出して寝込んでいる。道端に灰根が生えている。ここは王国の外で、薬は罪ではない。