伏線表
伏線表 ― 三つの毒と、夫の一言
毒が三つある理由、夫が四周目に言う一言の意味、ループが起きている理由。犯人は三人いて、うち一人はレナを殺したいわけではない。第1巻で置く十本と回収先。全部先の筋。
この先は、まだ公開していない話の筋が書いてあります。小説を先に読む方は開かないでください。開いて読む
先の筋と、犯人が書いてあります。
真相(読者には第12話で三分の一、第2巻で全部)
毒を盛った者は三人いる。互いに知らない。
- 大叔母マグダ(銀苔・杯)。婚姻そのものに反対。動機は家名
- 兄クラウス(夜露・花)。借財の穴埋めに、妹の持参金の返還を狙った。妹を殺すつもりはなく、寝込ませるだけのつもりだった。量を間違えた
- 家令ドルン(灰蜜・香)。三十年前、先代に仕えていた頃の負い目。アルヴィスを守るため。婚姻が成ればヴァルド家は王都の政争に巻き込まれると考えた
夫の一言(第1巻の山)
アルヴィスは毎周、寝室で同じ台詞を言う。四周目、レナが杯を割ったとき、彼は初めて違うことを言う。
「……また、割ったのか」
アルヴィスも覚えている。 彼は一周目から全部覚えていて、毎周、同じ台詞を言うことで「自分は何も知らない」ふりをしていた。なぜそうしたかは第2巻。
ループの理由(第3巻)
ループしているのはレナではなく館。三十年前、先代辺境伯の婚礼の夜にも同じことが起きていた。家令ドルンだけが、それを知っている。
第1巻で置くもの
| No | 伏線 | 置く話 | 回収する話 |
|---|---|---|---|
| 1 | 毒が三つある | 1 | 12(犯人が三人いると分かる) |
| 2 | アルヴィスの「また、割ったのか」 | 1 | 12(彼も覚えている) |
| 3 | 家令が全部の鍵を持っている | 1 | 11(三十年前の鍵も持っている) |
| 4 | 侍女頭イネスは毒を知らずに運んだ | 1(2で再確認) | 6(誰が渡したかを、イネスの動線から割る) |
| 5 | 大叔母が動けない体 | 1(2で再確認) | 8(だから人を使った。使われた人は知らなかった) |
| 6 | 兄クラウスの借財(第3話: 狭い階段の二階の踊り場で、南の言葉の旅装の男に「年明けまでに、千二百」。当ては「ある」、どこにかは答えない) | 3(仕込み済み) | 10(持参金の返還条項。妹が死ねば戻る) |
| 7 | 館の部屋は四十七 | 1 | 9(一つだけ鍵のかかった部屋がある) |
| 8 | 鐘が六つ鳴る | 1 | 第3巻(三十年前も同じ鐘) |
| 9 | レナが「知らないはずのこと」を言って怪しまれる | 1(知っている順に一日を進める) | 5(知りすぎた口。監視がつき、その周は死ぬ。7で黙ることを覚える) |
| 10 | 生存時間が周ごとに違う | 1 | 12(延びている。近づいている) |
| 11 | 水をかけて消した香炉の灰から、閉めきった部屋で灰蜜が溜まる | 2 | 3(香炉を部屋から出す)→ 11(灰を量るのは誰か) |
| 12 | 兄の南の酒(素焼きの瓶、麦と酸)は飲んでも死なない | 2 | 10(兄は妹を殺すつもりがなかった) |
| 13 | 大叔母の「では、夜に」に「夜に」と返すと、扇の上で目が止まる | 2 | 8(夜、大叔母がどこにいるか) |
| 14 | アルヴィスの寝室の一言「無理に飲まなくていい。慣れない酒だ」は、飲まなくても置いても変わらない | 2 | 12(変わるのは割ったときだけ=彼は結果ではなく行為を見ている) |
| 15 | 二階書庫の机、右の抽斗の二番目に証文 | 2 | 10(兄の帳面) |
| 16 | 狭い階段の戸(錘・敷居の噛み・鉄の鉤)、段の蝋、母の肩掛けの房、下の外戸の風 | 3 | 4(押した者はいない。事故) |
| 17 | 兄は妹の転落の音のあと、上がってこなかった | 3 | 4(暗くて見えず、貸し手との密会を知られたくなかった)→ 10(兄は泣く) |
長期の到達点(読者には見せない)
- 第2巻: アルヴィスと二人で解く。彼が覚えている理由
- 第3巻: 三十年前の婚礼。ループを終わらせるのは、殺人を防ぐことではなく、館の約束を解くこと
- 最終的な問い: 何度でもやり直せるなら、一度きりの選択に意味はあるのか