ダンジョン
3 作品(小説3件)
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ダンジョン対策課の窓口係 第三話 堅実な男
探索者の平井勉――ベンと呼ばれている――は、十年目の堅実な男だ。三年ごとの資格更新に、三年ごとに同じ時刻に来る。今回の書類は、一か所だけ前と違っていた。緊急連絡先の欄。黒木は、その違いを覚えている。覚えているが、訊かない。九月十八日、午後六時。第七層から十人が上がってくる日でもあった。

ダンジョン対策課の窓口係 第二話 喋らない嘱託
再任用の武田照夫は、週に三日、午後から来る。ほとんど喋らない。書類の整理と、入域口の立ち会いだけをやっている。十二年前、この市で最初に穴へ入った十四人のうちの一人だった。その武田が、第七層へ入る申請を出している。目的欄は、調査。同行者、なし。退域予定の欄だけが、空いたままになっていた。

ダンジョン対策課の窓口係 第一話 書式が違います
東雲市役所の三階、南の端にダンジョン対策課がある。職員は四人。万年係長の黒木隆之は、剣も魔法も持たない四十七歳の公務員で、できることは十二年分の申請書を覚えていることだけだ。その日、受付四十一件。差戻し六件。そして、第七層の申請が今週だけで十二件あった。去年の同じ週は、二件だった。