タイトル案
次に書く物語の、題名の候補
題名から先に考えるための棚です。 通りそうな題が出たら企画案に昇格させ、 企画書・世界観・登場人物・伏線表・各話プロットの五つを書いてから第一話に入ります。
151本・21の型。うち10本は企画案まで書いてあります。
セリフ型(女性向けの主流)9本
いちばん多い形。登場人物の言葉をそのまま題にする。誰が誰に言っているかが分からないまま、状況だけが立ち上がる。疑問形・反語・言い切りのどれか。
- 1「離縁してくださいと申し上げたのは、わたくしですが」
- 2「あなたの妻でいる理由が、もう見つかりません」
- 3「雑に扱っていいと言ったのは、あなたでしょう」
- 4「泣いていないので、心配なさらないでください」
- 5「では、わたくしの取り分をいただきます」
- 6「聞こえなかったことにしますね、今日だけ」
- 7「わたくし、悪女でよろしいのでしょう?」
- 8「証文はこちらにございます、旦那様」
- 9「もう一度おっしゃって。書き留めますので」
婚約破棄・離縁 + ざまぁ + ハッピーエンド8本
最も多いタグの組み合わせ。学園は使えないので、社交界・宮廷・商家でやる。破棄される側が最初から準備を終えているのが今の型。
- 10悪女と呼ばれた侯爵夫人は、離縁状に判を押してから本気を出す企画案あり
- 11婚約破棄された翌朝、わたくしの荷物はもう馬車の中でした
- 12破棄されたので、持参金と一緒に鉱山も返していただきます
- 13十年連れ添って離縁された妻は、家の鍵を全部持っていた
- 14婚約破棄の場で、わたくしは拍手をしてしまいました
- 15捨てられた妻ですが、帳簿はわたくしが付けておりました
- 16「不要」と言われた側室、後宮の水路を握っていた
- 17婚約破棄されて三日、まだ誰も夕食の献立を決められない
勘違い・過大評価8本
本人はまったくその気が無いのに、周りが勝手にすごい人だと思い込む型。地の文で自慢しなくていいので、読み口が軽くなる。
- 18誰が俺を「災厄の再来」なんて呼び始めたんだ
- 19雑用係の俺、なぜか全員から師匠と呼ばれている
- 20数を数えていただけなのに、軍師にされました
- 21断ったつもりが、全部引き受けたことになっていた
- 22挨拶しただけで同盟が結ばれた件
- 23帳簿を直したら、王家の陰謀を潰したことになっていた
- 24俺の独り言が、なぜか毎回、予言として記録されている
- 25ただの遅刻が、伝説の作戦だったことにされている
ハズレ職・ハズレスキルが実は強い + 追放8本
定番の型。職名を地味にするほど効く(回収士、掃除屋、ドローン操縦士のように、実在の職業に近い名前ほど強い)。
- 26ハズレ職〈仕分け係〉の俺、捨てられた物ほど高く直せる
- 27戦闘に使えないレアジョブ〈測量士〉、地図を書いたら戦況が変わった
- 28無能スキル〈数える〉が、軍の兵糧を全部見抜いた
- 29追放された〈包帯係〉、前線の傷が塞がらなくなる
- 30ハズレスキル〈においが分かる〉で、毒だけ先に見つける
- 31役立たずの〈鍵開け〉、開けてはいけない扉の前に立つ
- 32〈配達〉しかできない俺が、世界で一番早く着く
- 33使い道のない〈書き写し〉が、消えた契約書を全部覚えていた
悪役貴族・悪役令息 + 領地経営 + 具体的な期限8本
いま上位を占めている型。「◯年後に破滅」という期限と領地経営を組み合わせるのが現在の勝ち筋。
- 34転生したら滅びる家の三女でした ~十年後の処刑を回避します~企画案あり
- 35三年後に処刑される悪役貴族に転生したので、まず水路を引く
- 36五年後に取り潰される領地、今から種籾を数え直します
- 37破滅まで七百三十日、領民は三十人しかいない
- 38悪役令息に転生したが、原作にこの借金の話は無かった
- 39処刑される予定の当主ですが、帳簿だけは合わせておきます
- 40滅びる家の次男、税を一度もかけない国を作る
- 41あと四回の収穫で、この領地は潰れるらしい
現代ダンジョン + 配信 + 金額8本
いちばん勢いのある型。年収・時給・円の金額を題名に入れるのが今の形。読者が損得で読み始められる。
- 42脱サラ三十歳、ダンジョン配信で年収一億を狙う
- 43時給千二百円の警備員、第七層の夜勤に当たる
- 44登録者ゼロの配信者、最深部に一人で立っていた
- 45【悲報】ワイの配信、気づいたら世界一位だった
- 46借金四百万、返済期限は九十日、潜るしかない
- 47素材を売って月十八万、それでも辞めない理由
- 48顔出しNGの探索者が、毎回うっかり歴史を変える
- 49切り抜き師が世界を救う話
現代ダンジョン ― 職業もの・周辺産業8本
戦闘ではなく、穴の周りにできた仕事。読者層の高い側に効く。説明が要らないのが最大の利点。
- 50ダンジョン対策課の窓口係 ~役所の万年係長、世界最深部に呼ばれる~企画案あり
- 51ダンジョン保険の査定員、事故現場で嘘だけを見抜く
- 52探索者専門の社労士、ブラックギルドを是正します
- 53第一層の清掃員、十年間ここしか掃いていない
- 54ダンジョン廃品回収業、今日も誰かの遺品を拾う
- 55素材卸の目利き、値付けひとつで業界が止まる
- 56地下三十階のコンビニ店長
- 57迷宮不動産 ~階層、売ります~
令嬢 + 地味な職能8本
いま層が厚い。令嬢に、現実にありそうな専門技能を一つだけ持たせる(古文書、薬、蜂蜜、刺繍、施療院)。学園ではなく職場で書ける。
- 58古い文字しか読めない令嬢が、消えた国境線を見つける
- 59養蜂だけが取り柄の伯爵令嬢、王家の毒味を任される
- 60施療院の記録係、死因が一つだけ合わないことに気づく
- 61刺繍しかできない令嬢、縫い目で偽物を見抜く
- 62図書室から出ない令嬢が、王国の帳簿を読んでしまった
- 63薬草しか触らない令嬢、戦場に呼ばれる
- 64鍵だけ作る令嬢、開けてはいけない部屋を任される
- 65数字にだけ強い令嬢、嫁ぎ先の商会を三月で立て直す
中華・和風 × ミステリ(後宮・大奥)8本
閉じた場所で身分の低い有能な女が謎を解く型。恋愛・推理・成り上がりを同時に満たせる。出版社側も常設の募集枠を作っている。
- 66後宮の毒見係は、味で嘘を見抜く
- 67大奥の薬草番、将軍の眠りを預かる
- 68後宮の洗濯係が、染みの位置で下手人を知る
- 69宮廷の記録係、書き換えられた日付に気づく
- 70冷宮に落とされた妃は、薬の本だけ持って入った
- 71香道指南役、匂いで毒を分ける
- 72皇后の影武者、本物より皇帝に詳しい
- 73妃になれなかった娘は、厨で真相を煮出す
短い断言・脱力8本
長い題が並ぶ中で、極端に短い題は逆に目を引く。中身が読めないことが、かえって押させる。名詞ひとつ、短い言い切りの二通り。
- 74娘は返してもらいます
- 75聖女、辞めました
- 76夫が、いない
- 77帳簿が、合う
- 78わたし、悪女です
- 79竜が、小さい
- 80城は売りました
- 81今日は何もしません
おっさん・中年・無自覚な育成8本
自分が最強なのではなく、育てた相手が強い。しかも本人は気づいていない。管理職世代の願望にいちばん合う。
- 82引退した元S級、教えるのだけは下手でした
- 83おっさん冒険者、拾った弟子が勝手に伝説になる
- 84四十五歳の補助職、若手の成長が止まらない
- 85万年二軍のコーチ、気づけば代表を全員育てていた
- 86異世界帰りの中年、日本でも結局おなじ仕事をしている
- 87定年退職した鍛冶師、弟子の剣が世界一になる
- 88おっさんの淹れる茶を飲むと、なぜか強くなる
- 89五十歳、初めてパーティを組む
回数を数える型(死に戻り・ループ・◯度目)8本
回数を題名に入れるのが今の形(七度目、四十七回目)。数字が入るだけで、読者は「何が起きたのか」を知りたくなる。
- 90死に戻り花嫁は、三度目の初夜で毒杯を割る企画案あり
- 91今日で四十七回目の、同じ晩餐会
- 92七度目の人生で、ようやく妹を助けられた
- 93十二時間しか生きられない私の、調査記録
- 94戻るたびに、殺され方が変わる
- 95三日前に戻る力、使うたび寿命が一年減る
- 96死ぬのは私だけ、覚えているのも私だけ
- 97九十九回目の朝、まだ誰も信じてくれない
造語・カタカナ一語(文庫の看板作の型)8本
文庫のライトノベルで毎年上位に残る形。意味の分からない固有名詞を一語で置き、読者に「何の話だ」と思わせる。硬い音(濁音・促音)と、動詞+名前の組み合わせが多い。2026-09-26、運営者の求めで文庫の歴代上位作の型を観察して追加した。既存作品の題や固有名詞は一切使わない。
- 98塩嚙みのガルド
- 99灯守(ひもり)
- 100黒曜の番
- 101アシュランテ
- 102砂鯨の街
- 103鉄雨のイオ
- 104ヴァルデの塩
- 105燼火(じんか)
職業+ひとりごと/おしごと(仕事の中の謎解き)7本
王宮や大店の「地味な職」に就いた主人公が、仕事の手順そのもので事件を解く。恋愛は薄く、仕事の細部が濃い。後宮・薬・帳簿・検疫など、素人が知らない現場が舞台。学校は舞台にしない。
- 106検疫官のひとりごと企画案あり
- 107王都硝子工房の帳面係
- 108灯台守は今日も暇
- 109香料師のひとりごと
- 110質屋の娘は鑑定しない
- 111宮廷料理番の裏帳面
- 112墓守のおしごと
閉じた世界・ゲーム世界の攻略(大人の参加者)6本
仮想世界や閉鎖された世界に閉じ込められ、階層を攻略して出口を目指す型。文庫では定番。ここでは参加者を社会人にして、生活と仕事の側から書く。
- 113閉鎖世界オルタ ― 灯が消えるまで
- 114最終ログイン日から、三年
- 115攻略済みの世界で、まだ潜っている
- 116サービス終了日に、俺たちは最後のダンジョンへ潜る企画案あり
- 117死ぬと現実に戻れる世界で、誰も死のうとしない
- 118ダイブ・アンダー・ザ・ボード
隣人・同僚に世話を焼かれる長文ラブコメ(大人)6本
「隣の部屋の」「同じ職場の」相手に、気づいたら生活を握られている型。文庫の恋愛ものでいちばん強い形。学生ではなく、会社員・職人・自営業の二十代後半〜三十代で書く。
- 119隣の会社員が、俺の生活を管理している
- 120隣室の無口な料理人が、俺の夕飯だけ作りすぎる企画案あり
- 121会社でいちばん冷たい先輩が、退勤後は世話焼きすぎる
- 122隣の部屋のシステム管理者は、俺の生活だけ最適化してくる
- 123同じフロアの経理さんが、俺の家計簿だけつけている
- 124深夜のコンビニで会う常連の女性が、俺の食生活を心配しすぎる
「〇〇と〇〇」(旅と商いのファンタジー)6本
二つの名詞を「と」でつなぐだけの題。旅の連れ合いと、商いの品。物語より先に、道中の空気が立つ。経済・行商・宿場の細部で読ませる。
- 125塩と狐火
- 126銀貨と渡り鳥
- 127麦酒と羅針盤
- 128絹と燐
- 129帳簿と狼煙
- 130硝子と北風
職人の成り上がり(名前+〇〇しない)6本
職人の名前を題に置き、「〇〇しない」「〇〇を渡さない」で気骨を示す型。作る物の細部と、売る相手との交渉で進む。単行本・ノベルズ部門で強い。
- 131錠前師ノアは鍵を渡さない
- 132製図工エルマは線を曲げない
- 133活字狂いの製本工は、王都の印刷権を奪い取る
- 134石炭掘りの娘は、蒸気機関を国に売る
- 135靴職人の三女は王家の靴を作らない
- 136染物師イレンは色を混ぜない
負け側・脇役の自認(大人の恋愛)5本
「主役ではない側」を名乗る型。自嘲から始まって、脇役同士の話に転じる。学園ものが多い型だが、ここでは職場・同期・幼馴染の大人で書く。
- 137幼馴染は、負け側で三人
- 138主役じゃない方の同期
- 139三番手の私が、三番手のあなたと
- 140当て馬の男が、当て馬同士で組んだ結果
- 141脇役の経理が、主役の結婚式を仕切る羽目に
短い文学寄り(一文で終わる題)6本
句点で終わる短い一文、またはひらがな中心の柔らかい題。文庫の青春・恋愛の上位に毎年ある。ここでは二十代後半以降の生活の中で書く。
- 142恋した人は、私の代わりに嘘をついた。
- 143二十九歳、夏の終わりの約束だけ守れない
- 144よそゆきのかんけい
- 145好きだった人が、今日から上司になった。
- 146ゆうべの雨のこと
- 147三十歳の誕生日に、昔の恋人から荷物が届いた。
そのほか(企画案にしたもの)4本
上の型から選んで、企画書・世界観・登場人物・伏線表・各話プロットまで書いたもの。ここまで来た題名には★を付けてある。
この棚の使い方
基準は一つで、題名だけで読者が中身を言えるか。言えないものは落とします。 いま強いのは、題名に約束か数字が入っているもの——金額、年数、回数、「ざまぁ少なめ」のように、 量を先に伝える形です。学園を舞台にした作品は運営方針で扱えないので、 令嬢・婚約破棄の型は社交界・宮廷・商家・職場に置き換えてあります。 どの型がなぜ効くのかは、各見出しの下に一行ずつ書きました。